ワールドカップ組み合わせ抽選はどう決まる?2026大会ルールをやさしく解説
2025-12-05現在、2026年FIFAワールドカップの組み合わせ抽選が米ワシントンD.C.・ケネディセンターで行われています。今回の大会は初の48チーム制・12グループ構成で、抽選ルールも従来の32チーム制から大きく変わりました。この記事では「ポット分け」「大陸制約」「抽選の流れ」を中心に、仕組みをわかりやすく整理します。
48チーム・12グループ制の基本ルール
2026年大会は、従来の32チーム・8グループから48チーム・12グループ(A〜L)に拡大されます。各グループ4チームで総当たりを行い、各組上位2チームと、3位チームのうち成績上位8チームが決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)に進出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参加チーム数 | 48チーム(初の拡大フォーマット) |
| グループ数 | 12グループ(A〜L)・各4チーム構成 |
| 決勝トーナメント | 各組1・2位の24チーム+3位のうち成績上位8チーム=計32チームがラウンド32へ進出 |
| 開催国 | アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共催 |
| 試合数 | 総試合数は104試合に増加(従来64試合) |
大会フォーマットを理解しておくと、「どのグループに入ると有利そうか」「3位通過のラインはどのくらいか」がイメージしやすくなります。
- 要点:2026年大会は48チーム・12グループ制に拡大。
- 要点:各組1・2位+3位の一部がラウンド32へ進出。
- 要点:試合数は大幅増で、選手・チームの疲労管理も鍵になる。
シード順とポット分けの仕組み
FIFAランキングを基準にした4つのポット
組み合わせ抽選では、48チーム(+プレーオフ勝者の枠)がFIFAランキングに基づいて4つのポット(Pot1〜Pot4)に振り分けられます。開催国のアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国はPot1に入り、残りのチームも2025年11月19日付のFIFAランキングに従ってポット分けされます。
| ポット | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| Pot1 | 開催国3チーム(USA・カナダ・メキシコ)+ランキング上位9カ国 | 原則として各グループの「第1シード」。 |
| Pot2 | 次の12チーム(ランキング順位10〜21位相当) | 実力的には優勝候補〜ダークホースが多く、“中堅〜強豪帯”が集中。 |
| Pot3 | さらにその次の12チーム | 中堅国や初出場国が混在し、“組み合わせ次第で台風の目”になり得る層。 |
| Pot4 | 残りのチーム+欧州プレーオフ4枠+大陸間プレーオフ2枠 | 実力はまちまちで、プレーオフ勝者など“未知数なチーム”も多い。 |
抽選では、各グループに必ず1チームずつ、Pot1〜Pot4のチームが入る形になります。つまり、Pot1の強豪と同じグループに入るかどうかだけでなく、「Pot2〜Pot4にどんなチームが入るか」でグループの難易度が大きく変わります。
- 要点:FIFAランキングと開催国優遇でポットが決まる。
- 要点:各グループはPot1〜4から1チームずつ構成。
- 要点:Pot順位だけでなく、同じポット内の顔ぶれで“組み合わせの運”が大きく変化。
同じ大陸同士を避ける「大陸制約」ルール
基本ルール:同一大陸は原則1カ国まで
抽選では「同じ大陸のチームが同じグループに入りすぎないようにする」ための制約が設けられています。FIFAの原則では、UEFA(ヨーロッパ)を除き、同じ大陸のチームは1グループに1カ国までです。
例として、ブラジルとアルゼンチン(いずれも南米)は同じグループには入れず、アフリカ勢やアジア勢も同様に“バラける”ように抽選が進められます。
例外:UEFAは最大2カ国まで同居可能
ヨーロッパは出場チーム数が多いため、例外的に「1グループに最大2チームまで」同居できます。16チーム前後が出場する中で、12グループに分散させるには、この例外を認めないと抽選が成立しないためです。
この制約を守るため、抽選中に「特定のグループには入れられないチーム」が出てきた場合は、コンピューターで自動的に可能な組み合わせを判定し、その範囲内でボールを引いていく形になります。
- 要点:UEFA以外は「同一大陸1カ国まで」が基本。
- 要点:UEFAだけは「最大2カ国まで」同グループが認められる。
- 要点:制約を守るため、一部のグループには“入れない”チームが出る。
抽選当日の具体的な進行手順
1. Pot1から順にグループへ配置
抽選はPot1から始まり、A〜Lの順に各グループへチームを割り当てていきます。開催国はあらかじめ、メキシコがA1、カナダがB1、アメリカがD1に固定されており、それ以外のPot1チームが残りのグループ1番枠に入る形です。
2. Pot2〜4を順番に追加し、制約をチェック
Pot1が全て配置された後、Pot2→Pot3→Pot4の順に抽選を行います。それぞれのボールを引いたあと、「どのグループに入れるか」を大陸制約などを考慮しながら決定し、該当グループへ配置します。
3. グループ内の「ポジション」も事前のパターンで決定
従来のワールドカップでは、グループ内のポジション(例:A2・A3・A4)を別途抽選するケースがありましたが、2026年大会では事前に決められたパターンに従って自動で割り当てられます。これにより、テレビ放送の編成や移動スケジュールを早期に確定しやすくなっています。
- 要点:抽選はPot1→Pot2→Pot3→Pot4の順に進行。
- 要点:開催国3チームはあらかじめA1・B1・D1に固定されている。
- 要点:グループ内ポジションは事前パターンで自動的に決まり、スケジュール設計がしやすい。
なぜ「組み合わせ次第」で運命が変わるのか
“死の組”と“当たり組”の差
Pot1〜4のそれぞれに強豪・中堅・伏兵が混在しているため、抽選次第では「強豪が3チーム揃ったグループ」や「比較的戦いやすいグループ」が生まれます。特にPot4に実力の高いチームが入った場合、グループ全体の難易度が一気に上がり、“死の組”と呼ばれることもあります。
移動距離と気候条件の違い
アメリカ・カナダ・メキシコ共催の2026年大会では、開催都市ごとの気候や移動距離も大きな要素です。グループステージを比較的狭い地域で戦えるチームと、長距離移動を繰り返すチームでは、疲労度に差が出る可能性があります。
ノックアウトステージの“ルート”も決まる
抽選時点で、各グループ何位同士がどのラウンド32・ラウンド16で当たるか、ある程度決まっています。そのため、「誰とグループで戦うか」だけでなく、「トーナメントでどの山に入るか」も同時に決まるため、抽選結果は優勝へのルートそのものを左右します。特にランキング上位4カ国(スペイン・アルゼンチン・フランス・イングランド)は、ベスト4までできるだけ直接当たらないように“山分け”される仕組みになっています。
- 要点:同じポット内でも実力差が大きく、“死の組”が生まれやすい。
- 要点:開催地の組み合わせ次第で、移動距離やコンディション面の有利・不利が変わる。
- 要点:決勝トーナメントの“山”も同時に決まるため、抽選自体が優勝へのルートを決定づけるイベントになっている。
ファンがチェックしておきたいポイント
抽選の映像を見るときは、単に「どの国と同じグループになったか」だけでなく、以下のポイントを意識するとより楽しめます。
- 対戦相手の所属ポット(Pot2〜4)と実際の実力差。
- グループ内の大陸構成(同じ地域のライバルがいるか)。
- 移動ルートや日程(連戦の間隔や移動距離)。
これらを踏まえて各グループを眺めると、「このグループは突破ラインが勝点何点くらいになりそうか」「どの組がダークホースになりそうか」といった予想も立てやすくなります。
