卓球混合団体W杯2025 試合後コメントまとめ|本音が出た日本代表選手たち
2025-12-07現在、中国・成都で行われた「ITTF混合団体ワールドカップ2025」で日本代表は中国に1-8で敗れ準優勝となりました。ロサンゼルス五輪の新種目となる「混合団体」で初の銀メダルを獲得した一方で、選手たちからは本音がこぼれる試合後コメントも多く聞かれました。この記事では、結果の整理とあわせて印象的だったコメントを選手別に振り返ります。
卓球混合団体W杯2025の概要と日本代表の成績
ITTF混合団体ワールドカップ2025は、2025年11月30日〜12月7日に中国・成都で開催されました。男女混合でダブルス・シングルス・ダブルスを組み合わせ、先に8ゲームを取ったチームが勝利する新しい団体戦フォーマットが採用されています。
日本代表は第1ステージと第2ステージで白星を重ね、中国に5-8で敗れるまで無敗をキープしました。第2ステージを5勝2敗の2位で通過し、準決勝でドイツに8-3で勝利して決勝進出。決勝では中国に1-8で敗れつつも、混合団体では初の銀メダルという歴史的な結果を残しました。
| 日付 | ステージ | 対戦相手 | スコア(日本) | トピック |
|---|---|---|---|---|
| 2025-12-03頃 | 第2ステージ | スウェーデン | 8-0 | 松島輝空がリベンジ勝利、完封で勢いをつける試合に。 |
| 2025-12-05 | 第2ステージ | 韓国 | 8-7 | 日韓上位対決を制し、2位をキープした重要な一戦。 |
| 2025-12-06 | 第2ステージ | 中国 | 5-8 | 今大会初黒星も、複数の種目で意地の白星を奪取。 |
| 2025-12-06 | 第2ステージ | フランス | 7-8 | ルブラン兄弟率いるフランスに惜敗しつつ、2位通過を決めた試合。 |
| 2025-12-07 | 準決勝 | ドイツ | 8-3 | 伊藤美誠&篠塚大登ペアの快勝などで決勝進出を決める。 |
| 2025-12-07 | 決勝 | 中国 | 1-8 | 王楚欽/孫穎莎らを擁する「王国」中国に完敗するも、初の銀メダル獲得。 |
- 大会は中国・成都開催で、ロス五輪新種目「混合団体」を先取りしたフォーマットだった。
- 日本は第2ステージまで無敗を続け、中国とフランスに連敗しながらも2位通過で準決勝へ進出した。
- 最終的に中国に敗れて準優勝となったが、初の銀メダルで世界トップクラスの実力を証明した。
本音が垣間見えた主な試合後コメント
伊藤美誠「フラフラです。まずは体力回復」
第2ステージを戦い抜き、2位通過を決めた後のインタビューで、伊藤美誠選手は「フラフラです。まずは体力回復」と率直な疲労感を口にしました。激戦続きの大会で、混合ダブルスと女子シングルスの両方に出場した伊藤選手にとって、肉体的にも精神的にもギリギリの戦いだったことが伝わってきます。
同時に、勝敗だけでなく新フォーマットへの適応やチーム内での役割など、背負うものの重さもにじむコメントでした。
- 「フラフラ」という言葉から、連戦による疲労の大きさが率直に伝わる。
- それでも勝利を手繰り寄せるメンタルの強さが、銀メダルにつながったといえる。
- 今後の五輪本番では、コンディションの管理がさらに重要なテーマになりそうだ。
早田ひな「自信を持って戦う」「どの種目でも頑張りたい」
早田ひな選手は、準決勝進出を決めたタイミングで「自信を持って戦う」と前向きな姿勢を強調しました。また、別のインタビューでは「ダブルスも好きなのでどの種目でも頑張りたい」と語り、新フォーマットでもオールラウンドに貢献する意思を示しています。
チームの副キャプテン的な立場として、雰囲気作りから試合の流れまで大きく左右する存在であることがうかがえます。
- 「自信を持って戦う」という言葉は、チーム全体を鼓舞するメッセージになっていた。
- シングルス・ダブルス両方で戦える万能型として、混合団体フォーマットにフィットしている。
- 今後もキープレーヤーとして、ペアの組み合わせ次第で戦略の幅が広がると考えられる。
松島輝空「リベンジを果たしたかった」
スウェーデン戦で世界選手権銀メダリストのマティアス・ファルク選手に勝利した松島輝空選手は、試合後「過去に一度負けているので、リベンジを果たしたいと思っていた」と語っています。若手ながら明確なリベンジ意識を持ってコートに立ち、結果で応えた姿はファンの心をつかみました。
- 以前の敗戦を糧に、世界トップ選手から勝利をつかんだ点に成長が見える。
- 若手が大舞台で結果を残したことは、日本チームの層の厚さを示す材料になった。
- 今後はシングルスでもコンスタントに勝ち星を挙げられるかが鍵となる。
戸上隼輔&篠塚大登ペアの手応えと課題
準決勝のドイツ戦では、伊藤美誠選手とのペアや男子ダブルスで戸上隼輔・篠塚大登らが活躍し、8-3での快勝に貢献しました。プレッシャーのかかる場面で勝ち切れたことは、決勝に向けた大きな自信となりましたが、中国戦では世界最強クラスのペアとのギャップも痛感する結果となりました。
- ドイツ戦の快勝は、日本のダブルス戦略が世界トップレベルに通用することを示した。
- 一方で、中国戦では序盤のゲームで主導権を握れず、改善点も浮き彫りになった。
- ペア固定とローテーションのバランスが、今後の大きなテーマになると考えられる。
張本智和をめぐる「敬意の欠如」騒動と本音
大会中には、張本智和選手をめぐり「敬意の欠如」という言葉がX(旧Twitter)のトレンド入りを果たしました。中国開催特有の超アウェーな雰囲気の中で、フランス戦では中国ファンからのブーイングが続き、対戦相手のシモン・ゴジ選手が「気の毒」「辛かった」と胸中を明かしたことも報じられています。
張本選手自身の詳細な試合後コメントは限定的ですが、異様なムードの中でも集中力を切らさず、決勝の中国戦では林詩棟選手から1ゲームを奪うなどエースとしての意地を見せました。
- ブーイング問題は、スポーツにおける「選手へのリスペクト」を考えさせる出来事になった。
- 張本選手は難しい環境下でも結果を残し、メンタルの強さを示した。
- 運営側・ファン側も含めた「フェアな応援」のあり方が、今後の国際大会の課題といえる。
選手の本音から見える日本代表の課題と収穫
疲労を隠さない伊藤選手のコメントや、早田選手の前向きな言葉、松島選手のリベンジ宣言などからは、日本代表がそれぞれの立場でプレッシャーと向き合っていたことが見て取れます。
同時に、混合団体という新フォーマットでは「誰をどの種目で起用するか」というオーダー戦略が勝敗を左右し、中国との力の差だけでなく采配面の課題も浮き彫りになりました。
- フィジカル・メンタル両面での負荷が大きいフォーマットのため、選手層とローテーションが鍵になる。
- コメントからは、若手とベテランが互いに刺激し合う良いチームバランスも感じられる。
- 中国との差は依然大きいが、ゲーム単位では十分に戦える手応えも得た大会だった。
ロス五輪に向けた今後の展望(予定・未確定)
混合団体はロサンゼルス五輪から正式種目となる予定であり、今回の大会はその前哨戦と言える位置づけです。日本代表にとっては、銀メダルという結果以上に「どの組み合わせが機能するのか」「誰をエースに据えるのか」といった実戦データが大きな財産となりました。
今後は世界ツアーや合宿を通じてペアの固定と新コンビの発掘を両立させることが求められます。具体的な五輪代表メンバーは未確定ですが、今回名を挙げた選手たちが中心になる可能性は高いと見られます(あくまで現時点での見通し)。
- 今回の経験をもとに、伊藤・早田・張本兄妹・松島らの組み合わせをさらに磨いていくことが重要。
- 中国だけでなく、フランスやドイツなど欧州勢への対策も同時に進める必要がある。
- 代表選考やオーダーは今後変わる可能性が高く、最新情報のチェックが欠かせない。
