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卓球混合団体W杯 2025 日本代表 過去大会との比較

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卓球混合団体W杯 2025 日本代表 過去大会との比較

卓球「ITTF混合団体ワールドカップ」は、2023年に中国・成都で初開催され、2024年・2025年も同じ会場で続けて開催されています。2025-12-06時点で今大会は第2ステージ終盤にあり、日本代表は3年連続出場で実績と経験を積み上げてきました。本記事では、2023〜2025年の日本代表の戦い方と成績を比較し、成長ポイントと課題を整理します。

混合団体W杯 2023〜2025 日本代表の結果比較

混合団体W杯は歴史の浅い大会ですが、すでに日本は毎年上位争いを演じています。2023年の初開催では中国が圧倒的な強さで優勝し、日本は銅メダルを獲得。2024年大会でも中国が連覇し、上位4か国として中国・日本・韓国・フランスの名前が挙がっています。

開催年 開催地 日本代表の最終成績(報道ベース) 主な特徴
2023 中国・成都 銅メダル(中国・韓国とともに表彰台) 初開催。日本は準決勝で中国に8-5で敗れつつも、3位決定戦を制して銅メダル。新フォーマットへの適応がテーマだった。
2024 中国・成都 ベスト4・メダル圏内(中国が2連覇、上位4チームに日本・韓国・フランスが名を連ねる) 2023年に続き中国が優勝。日本は世界ランキングやオリンピックを意識したメンバー構成で、上位常連国としての地位を固めた。
2025 中国・成都 第2ステージ終了時点で上位争い(準決勝進出圏内)。最終順位は2025-12-07以降に確定予定。 8名フルメンバーで3年目の挑戦。中国に次ぐ優勝候補として位置付けられ、アウェーのブーイングの中で戦う精神面も含めた総合力が試されている。

この章の要点

  • 2023年は初開催で日本が銅メダルを獲得し、「新種目の有力国」として存在感を示した。
  • 2024年も中国が優勝し、日本・韓国・フランスが上位4か国として位置付けられた。
  • 2025年大会は、3年分の経験を持つ日本が「中国の最大のライバル」として注目されている。

メンバー構成の変化と共通点

2023〜2025年を通じて、日本の中心メンバーは大きく変わっていません。張本智和・早田ひな・伊藤美誠・張本美和といった「ダブルスもシングルスもこなせる主力陣」に、戸上隼輔・篠塚大登・松島輝空・大藤沙月などが加わる形で、混合団体に最適化された顔ぶれになっています。

  • 共通点:男女ともに「ダブルスが組めるシングルスエース」が多く、どのポジションにも対応できる。
  • 変化:2025年は松島輝空・大藤沙月ら、ここ1〜2年で世界的にブレイクした若手の比重がさらに高まった。
  • 戦略的意図:長期的にはロサンゼルス五輪を見据え、「今勝つこと」と「世代交代」を同時に進める構図になっている。

この章の要点

  • 3年連続で「同一コアメンバー+成長株」の構成を維持している。
  • 2025年は若手の比重が増し、スピードと破壊力がさらに向上。
  • 五輪を見据えた中長期的なチーム作りが進んでいる。

戦術・オーダーの進化:2023→2024→2025

初開催の2023年は、各国ともフォーマットの手探り状態で、混合ダブルスにエースを置くか、シングルスに残すかという基本方針から議論されました。2024年には、混合ダブルスと女子シングルスを重視する「序盤先行型」が各国で主流になり、日本もこの流れの中心にいました。

2025年になると、日本は序盤3試合でリードを取り、ダブルスで逃げ切るパターンに加え、「途中で流れを変えるためのオプション」も意識したオーダーが見られます。例えば第2ステージでは、香港戦で若手ペアを混合ダブルスに起用し経験を積ませつつ、中国戦では一転してエースペアを起用するなど、相手に応じた変化が増えました。

この章の要点

  • 2023年は「フォーマットへの適応」が最優先だった。
  • 2024年は「混合ダブルス+女子シングルス重視」の潮流の中で、日本も序盤先行型を確立。
  • 2025年は相手別にオーダーを柔軟に変える段階へ進み、「試合ごとの戦術設計」がより高度になっている。

環境・外部要因:アウェーの雰囲気と政治的緊張感

2025年大会では、会場のブーイングや野次が日本代表を取り巻く大きな話題となっています。中国メディア「捜狐」の記事をJ-CASTニュースが紹介する形で、「日本代表は試合中ずっと中国観客の標的になっている」「スタジアム全体からブーイング」といった表現が報じられました。

こうした「超アウェー」の空気は、過去2大会でも一定程度は存在したとみられますが、2025年は日中関係の緊張やSNSの拡散力も重なり、より強く意識されるようになっています。この環境下で高いパフォーマンスを維持している点は、過去大会との重要な違いと言えます。

この章の要点

  • 2025年大会では、日本代表が中国観客のブーイングや野次の的になっていると報じられている。
  • 政治的緊張やSNSの影響もあり、2023・2024年より「対立構図」が強調されがち。
  • その中でも日本が上位争いを続けていること自体が、過去大会との大きな違いになっている。

総括:2025年の日本代表は「完成度+適応力」で過去大会を上回れるか

3大会を比較すると、日本代表は着実に「フォーマット適応→戦術の深化→相手別最適化」というステップを踏んできました。2025年大会は、その集大成として「優勝争いにどこまで肉薄できるか」が問われるステージです。

  • 2023年:新種目で銅メダル獲得、「有力国入り」を果たした年。
  • 2024年:上位常連国としての地位を固め、中国との力差を詰めるシーズン。
  • 2025年:アウェー環境とプレッシャーの中で、「戦術の完成度」と「現場での修正力」の両方が試されている。

最終順位は2025-12-07以降の結果次第ですが、内容面ではすでに過去大会を上回る部分も多く、来年以降の混合団体W杯・ロサンゼルス五輪に向けた重要なターニングポイントになる大会と言えるでしょう。