引っ越しの挨拶は今どきどこまで必要？マンション・戸建て別の範囲ガイド
基準日：2025-12-08。かつては「引っ越したら向こう三軒両隣へ挨拶」が当たり前でしたが、いまはライフスタイルや防犯意識の変化もあり、挨拶をしない人も約3割いるとする調査もあります。
一方で、長く住む予定の持ち家やファミリー世帯では、「挨拶しておいて良かった」という声も根強く、完全に不要になったわけではありません。
この記事では、「今どきどこまで挨拶すべきか」を、マンション・アパート・戸建てのタイプ別に整理しつつ、無理のない範囲とやっておくと安心な範囲を分かりやすく解説します。
今どき、引っ越しの挨拶は「必須」ではない
住宅情報サイトのアンケートでは、「引っ越し後に挨拶をした人」は約6割、「していない人」は約3〜4割という結果が出ており、挨拶はマナーだが絶対ではないという位置づけになってきています。
特に都市部のワンルームや単身者向け物件では、「部屋を知られるのが不安」「あまり近所付き合いをしたくない」といった理由で、あえて挨拶しない人も増えています。
挨拶を「した方がよい」ケース
- 長く住む予定の持ち家・分譲マンション
- 子どもがいて生活音が気になりそうなファミリー世帯
- 引っ越し当日にトラックや作業音で迷惑をかける可能性が高いとき
挨拶を「無理にしなくてもよい」ケース
- 単身女性で、防犯上あまり知られたくない場合
- 短期の転勤・ウィークリーマンションなど、数カ月で退去予定の場合
- オートロックで対面挨拶がほぼ難しい大型マンション など
住まいのタイプ別「どこまで挨拶するか」の目安
実際にどこまで挨拶するかは、「生活音が届きやすいか」「これから関わる機会が多いか」で考えるのが現実的です。各種アンケートやマナー解説をまとめると、次のような目安が見えてきます。
| 住まいのタイプ | おすすめの挨拶範囲 | 目安の個数 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 賃貸マンション・アパート | 両隣 ＋ 上下の部屋（最低でも両隣だけでもOK） | 約4軒（両隣＋上下） | 生活音が伝わりやすい範囲を中心に。大家さん・管理人がいる場合は、そこも1軒として挨拶すると安心。 |
| 分譲マンション | 両隣 ＋ 上下 ＋ 同じフロアの数軒 | 4〜6軒程度 | 長く住む前提なので、同じフロアの方にも軽く挨拶しておくと、トラブル時に相談しやすい。 |
| 戸建て（住宅街） | 「向こう三軒両隣」＋真裏の家（あれば） | 5〜6軒程度 | 昔からの目安は「向こう三軒両隣」。最近の調査では、そこに「裏の家」を加えて6軒挨拶する人が多い。 |
| 戸建て（人家がまばら） | 普段よく顔を合わせそうな家を中心に柔軟に | 2〜6軒程度 | お隣＋道を挟んだ向かいなど、車の出し入れや生活音で迷惑をかけそうな家を優先。 |
| 短期滞在・法人契約 | 必要に応じて最小限（両隣のみ、または大家さんだけ） | 1〜3軒 | 数カ月の滞在であれば、無理に広範囲へ挨拶をする必要はない。会社のルールがあればそれに従う。 |
要点
- マンション・アパートは「両隣＋上下」が一つの目安。戸建ては「向こう三軒両隣＋裏」がよく挙げられる。
- とはいえ必ずしも全軒回る必要はなく、「お世話になりそうな範囲」を基準に考えてOK。
- 不安が大きい単身者は、無理に範囲を広げず「挨拶しない」という選択肢もあり得る。
今どきのスマートな挨拶マナー
「どこまで回るか」だけでなく、「いつ・どんなふうに」挨拶をするかも大事なポイントです。
タイミングと時間帯
- ベストタイミングは引っ越し前日〜当日：前日に「明日引っ越してきます」と一言添えられると丁寧。
- 時間帯は10〜12時／13〜16時ごろ：食事時と夜遅い時間は避ける。
- 不在が続く場合は、簡単なメモと挨拶品をポストインでもOK。
挨拶の言葉と粗品の相場
- メッセージは「このたび◯◯号室に越してまいりました◯◯です。お騒がせするかもしれませんが、よろしくお願いいたします」といったシンプルな一言で十分。
- 粗品の相場は500〜1,000円程度が一般的。タオル・日用品・お菓子など、誰でも使いやすいものが無難。
- 一人暮らしエリアでは、現金や高価すぎる品物はかえって気を遣わせることも。
ケース別・こんなときどうする？
単身女性で不安なとき
- 防犯を優先し、「挨拶しない」選択もマナー違反ではない。
- どうしても気になる場合は、「管理会社経由で挨拶状＋粗品を預ける」「両隣だけインターホン越しに挨拶する」など、対面しない方法も検討を。
子どもがいるファミリー世帯
- 生活音が増えやすいので、両隣＋上下（戸建てなら向こう三軒両隣）には一言挨拶しておくと安心。
- 「子どもの声でご迷惑をおかけするかもしれませんが…」と一言添えるだけで印象が変わる。
短期の転勤・社宅の場合
- 数カ月〜1年程度なら、必ずしも広範囲の挨拶は不要。
- 会社や管理者がルールを持っている場合もあるので、まずは社内・管理会社に確認する。