NAHAマラソン2025で完走できなかった理由|約3割がリタイアした背景と対策
基準日:2025-12-08。2025年12月7日に開催された第39回NAHAマラソンでは、2万3859人が出走し、1万6808人が完走しました。完走率は70.45%で、裏を返せば約29.6%に当たる7051人前後が途中リタイアまたは関門収容となった計算です。本記事では「なぜ完走できなかったのか」をデータと大会公式情報を踏まえて整理し、来年以降の対策につなげられるよう解説します。
2025年大会の基本数字と「完走できなかった人」の割合
まずは2025年大会の全体像を数字でおさらいし、「完走できなかった人」がどれくらいの規模だったのかを把握しておきましょう。
| 項目 | 人数 | 割合の目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 出走者数 | 23,859人 | 100% | スタートラインを踏んだランナー数 |
| 完走者数 | 16,808人 | 約70.45% | 制限時間内にゴールした人数 |
| 完走できなかった人数 | 約7,051人 | 約29.55% | 棄権・関門収容・タイムオーバー等(概算) |
リタイア率(完走できなかった割合)は、完走率70.45%から単純計算したおおよその値です。公式発表では「完走者数」までの公表が中心であり、「リタイア人数」の詳細は大会側の救護報告や今後の資料を待つ必要があります。
要点
- 2025年大会は約2.4万人が出走し、約1.7万人が完走した。
- 計算上、およそ3割弱のランナーが完走できなかったことになる。
- 詳細な内訳(年代別・性別など)は現時点では公表が限定的であり、概算として扱う必要がある。
完走できなかった主な理由① コンディション・体調不良
NAHAマラソンは「暑さ」と「湿度」による負荷が大きいことで知られており、体調面のトラブルがリタイアの大きな要因になります。
- 暑さ・脱水・熱中症傾向: 最高気温は約24℃前後で、12月としては走っていると暑さを強く感じるコンディションでした。汗による水分・電解質のロスが大きく、脚つりやめまいにつながりやすい状況です。
- 練習不足やブランク: フルマラソンに必要なスタミナが足りず、25km以降で歩きはじめ、そのまま関門収容・リタイアになるケースが毎年少なくありません。
- 持病・体調不良の悪化: 風邪気味・寝不足・体調不良のまま無理に出走し、中盤以降に体が動かなくなるパターンも見られます。特に心肺系や消化器系の不調は無視できません。
大会公式サイトでも、過去大会の救護報告を通じて熱中症や脱水、けいれんなどのリスクが繰り返し注意喚起されています。自覚症状がある場合は勇気を持って途中棄権を選ぶことも、安全上の重要な判断です。
要点
- 2025年も「暑さと湿度」による負荷は大きく、熱中症傾向がリタイアの一因となりうる。
- フルマラソンに必要な走り込み不足は、30km以降の失速や棄権につながりやすい。
- 体調不良時は無理をせず、途中棄権も含めて安全な選択をとることが重要。
完走できなかった主な理由② ペース配分・補給・装備のミス
練習量が十分でも、「レース運び」の失敗が原因でゴールに届かないパターンも多くあります。
- オーバーペース: スタート直後の下り基調とお祭りムードで、予定より1kmあたり10〜20秒速いペースで入ってしまい、20〜25kmから急激に失速・歩きが増えるケース。
- 補給不足: 給水を見送ったり、糖質・塩分の摂取量が足りずに、ハンガーノックや脚つりを起こして走れなくなるパターン。
- 装備の選択ミス: 長袖や重いウェアで体温が上がり過ぎたり、ソックスやシューズが合わずにマメ・靴ずれで走行続行が困難になるケース。
NAHAマラソンは沿道の私設エイドが豊富で楽しい反面、「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」もトラブルの原因になり得ます。胃腸が弱い人は、何を・どれくらい口にするか事前に決めておくと安全です。
要点
- オーバーペース&補給不足は、実力者でもリタイアにつながる典型パターン。
- 装備のミス(暑すぎるウェア・合わないシューズなど)が痛みや不調を招く。
- 私設エイドは楽しみつつも、消化吸収を考えた「計画的な摂取」が大切。
完走できなかった主な理由③ コース特性・天候・風向きなどの外的要因
2025年大会は、「暑さ」に加えて終盤の横風も指摘されました。コースと天候が噛み合うと、想像以上に体力を削られます。
- アップダウンの連続: 平和祈念公園に向かう中盤以降は、長い上りと細かなアップダウンが続きます。ここで脚を使い切ってしまい、復路の下り・平地で走れなくなるケースが頻発します。
- 日差しと路面反射: 晴れ間が出た時間帯は、日差し+路面反射で体感温度が上昇。帽子・サングラス・日焼け止めがないと消耗が激しくなります。
- 終盤の横風: 25km付近のひめゆりの塔を過ぎてからゴールまでは、横風がやや強く吹く場面もあり、ペース維持の難しさや、体感的な疲労増につながりました。
コースの高低図や風向きの傾向を事前に把握しておくことで、「どこで我慢して、どこで稼ぐか」のイメージが持てるようになり、完走率アップにつながります。
要点
- 中盤以降のアップダウンは、脚へのダメージとメンタルの両面で大きな負荷になる。
- 日差し・路面反射・横風など、天候要因が想像以上にスタミナを削る。
- 事前にコースと天候傾向をチェックし、「苦しくなる区間」を想定しておくことが重要。
来年こそ完走するためのチェックリスト
2025年に完走できなかったとしても、原因を整理できれば次につながります。来年のNAHAマラソン完走に向けて、最低限チェックしておきたいポイントをまとめました。
- 練習面: 「週あたりの走行距離」と「30km以上のロング走の実施回数」をメモし、今年との違いを可視化する。
- レース戦略: 目標タイムから逆算したペース表を作成し、「前半は抑えめ・後半勝負」のプランを徹底する。
- 暑さ・補給対策: 夏〜秋から暑い時間帯のジョグや、給水・ジェルのテストを練習で試しておく。
完走できなかった悔しさは、翌年以降の大きな原動力になります。数字と記録を残しつつ、「なぜダメだったか」を言語化しておくことが、次の成功への近道です。
要点
- 練習量・ペース・補給を「記録」に残し、原因を具体的に振り返ることが重要。
- 前半を抑え、暑さとアップダウンを見越した「後半型」のレースプランが有効。
- 失敗の分析を翌年のトレーニング計画に反映させることで、完走率は着実に高まる。
