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NAHAマラソン2025 データから見る難易度|完走率・コース・気候を総合評価

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NAHAマラソン2025 データから見る難易度|完走率・コース・気候を総合評価

基準日:2025-12-08 現在。第39回NAHAマラソン2025の完走率は70.45%と報じられており、他の大都市マラソン(完走率80〜90%台が多い)と比べると明らかに「完走が難しい大会」です。

さらに、高低差約100mのアップダウン12月でも20℃前後になる温暖な気候6時間15分の制限時間と関門設定など、データで見てもNAHAマラソンならではのハードな条件がそろっています。

この記事では、2025年大会の数値と、NAHAマラソン全体の傾向を踏まえ、「どのくらい難しいのか?」を客観的に整理します。

完走率データから見るNAHAマラソン2025の難易度

まずは完走率を起点に、NAHAマラソンの難易度を他大会と比較してみます。

指標 NAHAマラソン2025 一般的な都市型フルマラソンの傾向
完走率 70.45%(出場23,859人/完走16,808人)。 多くの大規模都市マラソンでは80〜90%台が一般的とされ、NAHAは明らかに低め。
過去の最低完走率 1999年:52.3%/2016年:53.20%(いずれも高温の年)。 ここまで極端に完走率が落ちる都市マラソンは少数派。
完走率の分布 多くの年で60〜70%台。2025年の70.45%はその中でもやや高めの部類。 完走率70%前後のフルマラソンは、全国的には「難しめ」の部類に入る。
特徴 「人気大会なのに完走率が低い」ことで知られ、初心者にはやや厳しい大会とされる。 平坦で寒冷な都市マラソンは、初心者も完走しやすい傾向。

要点

  • 完走率70.45%という数字は、フルマラソンとしては「中〜上級者にとってもタフな部類」を示す。
  • 1999年・2016年には完走率50%台というワースト年もあり、「条件次第では半数近くがDNFになり得る大会」。
  • 「完走率だけで見ても難易度は高い」が、これはコースと気候の特徴を反映した数字でもある。

コースプロフィール:高低差約100mのアップダウン

NAHAマラソンのコースは、スタート地点の標高0m付近から、平和祈念公園付近の標高約100mまで一気に駆け上がる、アップダウンの多いレイアウトが特徴です。

コース解説では、最低標高0m・最高標高約103mとされており、高低差100m以上+細かなアップダウンの「繰り返し」が、脚へのダメージを蓄積させる要因と指摘されています。

区間 特徴 難易度ポイント
スタート〜10km 市街地を進む序盤区間。人の多さと高揚感でオーバーペースになりやすい。 渋滞もあり「無理に抜こうとする」と体力を消耗しがち。
10〜21km(平和祈念公園まで) 長い上り基調+細かいアップダウンが続くタフな区間。 ここで脚を使い切ると後半の大失速・関門アウトに直結する。
21〜30km 平和祈念公園からの下り基調。タイムを稼ぎたくなる区間。 下りで飛ばしすぎると、30km以降に脚が一気に売り切れる。
30km以降 疲労+日差し+アップダウンの残りでメンタル勝負。沿道応援が心の支えに。 一度歩き始めると再加速が難しく、「完走かDNFか」の分かれ目になりやすい。

要点

  • 最大高低差約100m+細かなアップダウンにより、「脚にくる」コース設計。
  • 特に平和祈念公園までの登り区間が難所で、ここを抑えられるかどうかが完走の鍵。
  • コースだけ見ても、平坦な都市マラソンより1〜2段階難しいと言える。

気候・気温:12月でも「冬の皮をかぶった夏マラソン」

NAHAマラソンが難しいとされる大きな理由が気候です。コース解説や攻略記事でも、「12月開催だが、気温は20℃前後になることが多く、湿度も高い」と指摘されています。

過去には高温の影響で完走率が50%台まで落ちた年もあり、2023年大会の紹介記事でも「温暖な気候とコースの厳しさが完走率を60〜70%台に押し下げている」と分析されています。

要点

  • 12月とはいえ沖縄の大会であり、日中の気温20℃前後+日差し・湿度で体感はかなり暑い
  • 高温だった1999年・2016年には完走率が50%台まで落ちており、気象条件次第で難易度が一段と跳ね上がる。
  • 2025年大会の報道でも「日差しに負けずゴールを目指す」といった表現が使われており、暑さとの戦いであったことがうかがえる。

制限時間・関門設定:数字上は「普通」だが、実際はシビア

制限時間は6時間15分と、一見すると他の市民マラソンと同程度です。しかし、アップダウンと暑さを考えると、この制限時間での完走は決して楽ではありません

項目 NAHAマラソン2025 完走のための目安
制限時間 6時間15分(9:00スタート/15:15フィニッシュ)。 平均ペースにすると約キロ8分50秒。渋滞・暑さ・アップダウンを考えると「ギリギリ」。
第1関門 平和祈念公園内 21.3km地点/3時間15分。 キロ9分10秒ペース相当。渋滞と上りを考えると、実質的にはキロ8分台で刻みたいライン。
第2関門 那覇看護専門学校前 34.3km地点/5時間10分。 ここまでにキロ9分前後を保てないと厳しい。暑さで歩きが増えると一気にラインを割り込む。
競技中止勧告ポイント 7.2km・13.3km・17.1km・28.3km・39.3kmなどに目安時間が設定。 「関門に届いても、その前で交通規制解除に追いつかれる」リスクもあり、余裕を持ったペースが必要。

要点

  • 数字上の制限時間は一般的だが、コースと気候を考えると「実質的な難易度」は1段階上
  • 第1・第2関門ともに「ギリギリ通過」を狙うと、少しのトラブルで即アウトになりかねない。
  • 多くの攻略記事が「関門に対して10〜15分の余裕を持つペース設計」を勧めているのは、このため。

総合評価:NAHAマラソン2025はどんな人向けの大会?

ここまで見てきたデータをまとめると、NAHAマラソン2025の難易度は次のように総括できます。

  • 完走率:70.45%とフルマラソンとしては難しめ。
  • コース:高低差約100m・細かなアップダウン多数で、脚への負担が大きい。
  • 気候:12月でも温暖で、暑さ・湿度が完走率を押し下げる。
  • 制限時間:6時間15分は標準的だが、条件を考えると実質的にはやや厳しめ。

そのため、NAHAマラソンは

  • フルマラソン完走経験が1〜2回以上あり、「タイムよりも沖縄の雰囲気と達成感を味わいたい」ランナー
  • アップダウンと暑さに強く、「タフな大会で自分を試したい」中級者〜上級者

に特に向いている大会と言えます。一方、初フルのランナーにとっては、しっかり準備すればチャレンジ可能ですが、「完走率70%前後の難コース」であることを理解したうえで、余裕あるペースと暑さ対策を徹底することが重要です。