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NAHAマラソン2025 成功したペース配分|完走・サブ4・サブ5の走り方

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NAHAマラソン2025 成功したペース配分|完走・サブ4・サブ5の走り方

基準日:2025-12-08 時点。第39回NAHAマラソン(2025-12-07)は、平和祈念公園までの長い登りと、冬とは思えない暑さで多くのランナーを苦しめました。一方で、ペース表や関門時間をうまく活用し、「余裕を持って完走できた」「サブ4・サブ5を達成できた」という報告もSNSやブログで見られます。この記事では、公開されているペース配分表やコース解説をもとに、NAHAマラソン2025で有効だったペース戦略を整理します。

コースと関門時間から逆算するペース戦略の基本

NAHAマラソンは、スタートから平和祈念公園(約21km)まで上り基調、その後は下り〜フラットが中心という「前半タフ・後半やや楽」な構成です。制限時間は6時間15分で、第1関門は平和祈念公園内21.3〜21.4km地点が3時間15分、第2関門は那覇看護専門学校前34.3〜34.5km地点が5時間10分と設定されています。

沖縄伴走ランナーネットワークが公開した「2025NAHAマラソン完走のためのペース配分」では、ゴール6時間9分44秒(ネット5時間43分53秒)を想定したモデルケースとして、21.4km地点を3時間9分57秒、34.5km地点を4時間57分36秒で通過するペースが提示されています。

要点

  • 第1関門3:15に対し、モデルケースは約5分の余裕を持って通過する設定。
  • 34.5kmの第2関門も、約12〜13分の余裕を持たせている。
  • 「関門ギリギリ」ではなく「10〜15分の余裕」を基準にペースを組むのが完走の近道。

目標別・成功しやすいペース配分モデル

コースの特徴と完走用ペース表をもとに、代表的な目標タイムごとのペース配分の目安をまとめると、次のようになります。

目標 前半(〜21km)の目安 中盤(21〜34km)の目安 後半(34〜42km)の目安 ポイント
完走狙い(6時間前後) ハーフ3時間〜3時間5分(キロ8:20〜8:40)。登りは積極的に歩きを混ぜる。 キロ8:30〜9:00で、給水・補給を最優先。第2関門を5時間前後で通過。 キロ9:00前後でもOK。歩きとジョグを繰り返してゴール6時間〜6時間10分。 関門に対して常に10〜15分の余裕をキープすることを最優先。
サブ5.5(5時間30分切り) ハーフ2時間35〜40分(キロ7:20〜7:30)。登りは「息が上がらない程度」に抑える。 キロ7:30〜7:40で粘り、30km通過を約3時間50分〜4時間。 キロ8:00前後でも間に合うので、30km以降は無理せず歩きも織り込む。 前半で脚を残し、30km以降での大失速を防ぐのがサブ5.5のコツ。
サブ5(5時間切り) ハーフ2時間25〜30分(キロ6:45〜7:00)。登りではキロ7:15前後でもOK。 キロ7:00前後で巡航し、32〜33km地点で3時間50〜55分通過を目安に。 キロ7:30〜8:00まで落ちても5時間以内に収まる余裕を持たせる。 「前半やや我慢・後半耐える」イメージで、ハーフ通過を欲張りすぎない。
サブ4.5(4時間30分切り) ハーフ2時間10〜15分(キロ6:10〜6:20)。登りと渋滞を考えれば妥当なライン。 キロ6:20〜6:30を維持し、30km通過を3時間05〜10分目安。 ラスト12kmをキロ6:30〜7:00でまとめて4時間25〜30分フィニッシュ。 平地の想定より10〜15秒/km遅くても気にしないことが成功のポイント。
サブ4(4時間切り) ハーフ1時間55〜2時間(キロ5:25〜5:40)。登り区間は心拍を上げすぎない。 キロ5:30〜5:40をキープし、30km通過を2時間40〜45分目安。 多少6分台に落ちても4時間以内に収まるが、補給と冷却を徹底する。 「前半は無理にタイムを稼がず、後半の下りで粘る」意識が重要。

要点

  • 完走狙いはハーフ3時間前後、サブ5は2時間25〜30分、サブ4は2時間以内が目安。
  • 平地のフルマラソンより、NAHAではハーフ通過を「5〜10分遅め」に設定しても良い。
  • 関門の10〜15分前に着くペースを基準にし、余裕があれば後半で帳尻を合わせるイメージが安全。

成功ランナーに共通していた3つの工夫

SNSやインタビュー記事から、2025年大会で「うまく走れた」と語るランナーの共通点を整理すると、次の3つが見えてきます。

  1. 前半は“歩きも戦略”として組み込んでいる
    平和祈念公園までの登りは「無理に走らず、心拍が上がったら迷わず歩く」というスタイルで、結果的に後半の失速を防いだケースが多い。
  2. 給水・給食ポイントを事前に把握している
    公式給水+私設エイドの位置を事前にチェックし、「ここでジェル」「ここで塩タブ」と決めておくことで、ガス欠を防いでいる。
  3. タイムより完走・体調優先の判断
    暑さが強い年は自己ベスト狙いを早々に捨て、「完走すればOK」と切り替えた人ほど、結果的にダメージ少なくゴールできている。

要点

  • 「歩いたら負け」ではなく、「歩きを上手に使える人ほど完走に近づく」大会。
  • 給水・給食の“設計図”を作っておくことで、暑さの中でも冷静にレース運びができる。
  • コンディションが悪い年は、目標タイムの下方修正も含めて柔軟に戦略を変える勇気が大切。

実際のペース表を活用した練習方法

公開されている完走用ペース表や関門情報は、練習のシミュレーションにも役立ちます。

  • 週末ロングで「関門ペース」を体感する
    キロ8:20〜8:40程度のペースで20〜25km走り、「このペースなら会話できるか」「暑い日に維持できるか」を確認する。
  • アップダウンのあるコースで30km走
    近所の坂道コースを使い、「前半登りゆっくり/後半下りやや速め」のパターンで30km走を行い、本番のイメージをつかむ。
  • 補給つきペース走
    10〜15kmのペース走の中に、実戦さながらにジェルや塩タブ・水分補給を組み込み、走りながら飲み食いする感覚に慣れておく。

要点

  • 本番のペースを練習で一度も試さないまま臨むと、「遅いのに苦しい」感覚に戸惑いやすい。
  • 坂道や暑い時間帯をあえて選んで走ることで、当日のメンタル的な余裕が生まれる。
  • 補給を含めた「レースの一連の流れ」を練習で再現しておくと、本番の失敗が減る。