NAHAマラソン2025の天候・コンディションは?暑さと横風が与えた影響を解説
基準日:2025-12-08。2025年12月7日に行われた第39回NAHAマラソン当日の那覇市は、天気が晴れ時々曇で最高気温はおよそ24℃前後、最低気温19℃前後という気象条件でした。真冬の内地レースと比べるとかなり暖かく、強い日差しと湿度、さらに終盤の横風が加わり、多くのランナーにとっては「暑さとの戦い」となりました。本記事では、当日の天候・コンディションを整理し、それがレースにどのような影響を与えたのかを解説します。
レース当日の天気概要(那覇市の実測値)
気象情報や報道をもとに、NAHAマラソン2025当日の気象条件をまとめると、以下のような傾向でした。
| 項目 | 数値・状況の目安 | レースへの影響 |
|---|---|---|
| 天気 | 晴れ時々曇 | 日差しが出る時間帯は体感温度が高く、暑さ対策が必須 |
| 最高気温 | 約24℃前後 | フルマラソンとしては高めで、脱水・熱中症リスクが上昇 |
| 最低気温 | 約19℃前後 | スタート時点からすでに「涼しい」とは言いにくい気温帯 |
| 湿度 | 概ね60%前後(時間帯により変動) | 汗が乾きにくく、体温調節がしづらいコンディション |
| 降水 | 降水量は少なく、ほぼドライ | 路面は走りやすい一方で、陽射しによる路面反射が負荷に |
数値だけ見ると「それほど暑くない」と感じるかもしれませんが、直射日光や湿度を考慮すると体感はさらに上がります。特に、普段10〜15℃台でトレーニングしている本土ランナーにとっては、予想以上に厳しい条件だったと考えられます。
要点
- 天気は晴れ時々曇で、最高気温は約24℃前後とフルマラソンには高め。
- 湿度も高く、汗が乾きにくい「ムシッとした」体感が続いた。
- 路面はドライで走りやすい一方、日差しと路面反射が体力を奪う要因になった。
時間帯別に見たコンディションとランナーの体感
NAHAマラソンは午前9:00スタートで、制限時間は6時間15分です。ランナーの多くがコース上にいる時間帯のコンディションを、ざっくり時間帯別に整理します。
| 時間帯 | 気象条件の目安 | 想定される体感・レースへの影響 |
|---|---|---|
| 9:00〜11:00 | 気温20〜22℃台、晴れ〜曇 | 走りやすいが、日差しが出るとすでに「汗が噴き出る」レベル。飛ばし過ぎ注意。 |
| 11:00〜13:00 | 気温23〜24℃台、日差しが強まる時間帯あり | 中盤〜終盤にかけて暑さのピーク。給水・塩分補給をさぼると一気に失速しやすい。 |
| 13:00〜15:15 | 気温は徐々に下がるが、疲労と日差しの蓄積あり | 制限時間ギリギリのランナーにとっては、脚のダメージ+暑さのダメージのダブルパンチ。 |
特にサブ4〜サブ5を狙う層は、気温が上がりきるタイミングで30km以降に突入することになり、暑さによる失速や脚つり、胃腸トラブルのリスクが高まります。時間帯と自分の想定ゴールタイムを照らし合わせて、どの区間で暑さのピークを迎えるかを意識しておくと対策が立てやすくなります。
要点
- スタート直後から「涼しい」とは言い難く、特に中盤〜終盤の暑さが負荷となった。
- サブ4〜サブ5のランナーは、ちょうど暑さのピークと30km以降が重なりやすい。
- 事前に「自分の通過タイム帯の気温」をイメージしておくと、補給計画が立てやすい。
風向・風速とコース上での影響
事前の天気予報や解説では、「序盤は追い風ぎみだが、25km付近のひめゆりの塔以降は横風がやや強くなる」とされていました。これがレースに与えた影響を整理します。
- 前半: 追い風ぎみの区間では体感スピードが上がりやすく、「楽に速く走れている」と錯覚しがちです。その結果、オーバーペースになりやすい点には要注意です。
- 中盤〜終盤: ひめゆりの塔を過ぎてからゴールまでは、横風を受ける場面が増えました。特に体格の小さいランナーや疲労がたまった終盤では、フォームが崩れやすくなります。
- 体温調節への影響: 風があることで「涼しく感じる」一方、実際には日差しと湿度の影響で体温は下がりきらず、「気付かないうちに脱水が進む」状態に陥るリスクもあります。
風向・風速はレース当日にならないと正確には分かりませんが、「前半追い風=飛ばし過ぎ注意」「終盤横風=フォームとリズムを意識」といったポイントを押さえておくと、コンディションに振り回されにくくなります。
要点
- 前半の追い風はペースを上げやすく、オーバーペースの引き金になりやすい。
- 終盤の横風はフォームを乱し、体感以上にスタミナを消耗させる。
- 「風で涼しく感じても脱水は進んでいる」可能性を常に意識しておきたい。
天候が完走率・リタイア率に与えた影響
2025年大会の完走率は70.45%で、2024年(65.62%)よりは改善したものの、依然として約3割が完走できなかった計算です。天候との関係を整理すると次のようになります。
- 2023年(涼しく曇りがち): 気温22℃前後で曇りがちという条件のもと、完走率は72%台と高めでした。
- 2024年(暑く晴れがち): 最高気温が25℃前後まで上がり、快晴に近い時間帯も多く、完走率は65.62%と低下しました。
- 2025年(中間だが依然暑い): 2024年ほどではないものの、24℃前後&日差し+湿度という条件で、完走率は70.45%と中位の水準になりました。
この3年を比較すると、「気温が下がり曇りがちになるほど完走率が上がる」「25℃前後の晴れに近い条件ではリタイア率が上がる」という、おおまかな相関が見てとれます。NAHAマラソンにおいては、フルマラソンとしての距離そのもの以上に、「暑さにどう対応するか」が完走率を左右する鍵といえます。
要点
- 涼しく曇りがちな年ほど完走率が高く、暑く晴れた年ほどリタイア率が上がる傾向がある。
- 2025年は条件がややマイルドになったものの、依然として「暑さ対策が重要なレース」だった。
- NAHAマラソンでは、天候対策がタイムだけでなく完走・未完走を分ける大きな要因になる。
来年に向けた天候対策チェックリスト
最後に、NAHAマラソン特有の天候・コンディションを踏まえた、来年への対策ポイントをチェックリスト形式でまとめます。
- 暑さ対策: 夏〜秋にかけて、あえて少し暑い時間帯でのジョグやロング走を取り入れ、汗のかき方や給水量の目安を掴んでおく。
- 装備: 通気性・速乾性に優れたウェア、つば付きのキャップ、サングラス、日焼け止めを準備し、練習のなかで使い慣れておく。
- 補給計画: 5kmごとの給水に加え、自分で持つジェルや電解質ドリンクを「何kmで何を摂るか」まで具体的に決め、練習で試してから本番に臨む。
当日の天候はコントロールできませんが、「どう備えるか」は自分次第です。2025年のコンディションを振り返りながら、自分に合った暑さ・風対策をプランニングしておくことで、来年の完走率は確実に高まります。
要点
- 暑さ・日差し・横風を前提にしたトレーニングと装備選びが、NAHAマラソン攻略の第一歩。
- 補給計画は「距離ごとに何を摂るか」まで具体的に決め、練習で検証しておくことが重要。
- 2025年のレース体験と気象条件を記録に残し、来年の準備に活かすことで完走に近づける。
