飲み会マナーはこう変わった!昔と今の違いと上手な付き合い方
基準日:2025-12-08 現在。かつては「仕事終わりの飲み会=参加して当然」「上司に注いで回るのがマナー」とされてきましたが、最近の調査では「飲みニケーションは不要」と考える人が6割超という結果も出ています。
一方で、2025年の調査では「若者よりも40〜50代の方が飲み会に消極的」というデータもあり、「若手が飲み会嫌い」という単純な構図ではなくなりつつあります。
この記事では、昔の飲み会マナーと今の常識の違いを整理しつつ、世代が違っても気持ちよく付き合えるコツを紹介します。
昔の「飲み会マナー」|礼儀1.0の世界
高度経済成長期〜平成初期にかけての「飲み会マナー」は、上下関係や形式を重視した「礼儀1.0」とも言えるスタイルが主流でした。
| 昔の主なマナー | 内容 | 今よく言われる問題点 |
|---|---|---|
| 上座・下座の厳格さ | 入口から遠い奥の席が「上座」、手前が「下座」。目上の人が座る位置がほぼ固定。 | 座席を決めること自体が目的化し、リラックスしづらい。相手の負担になることも。 |
| お酌の作法 | ビールのラベルを上にして注ぐ、グラスが空いたらすぐに注ぎ足す、部下が率先して注ぐ。 | 「飲みたくないのに注がれる」「常に気を張らないといけない」と感じる人が多い。 |
| 参加は事実上「強制」 | 忘年会や歓送迎会は参加して当然、断ると「協調性がない」と見られる空気。 | プライベート時間を奪う、ハラスメントの温床になる、という批判が強まっている。 |
| 一気飲み・飲ませ文化 | 若手に一気飲みをさせる、断りにくい雰囲気をつくるなどの風習。 | アルハラ・事故のリスクが高く、多くの企業で明確に禁止されるようになった。 |
要点
- 昔のマナーは「上下関係の演出」としての意味合いが強く、効率より形式を重んじる傾向があった。
- 現代では、こうした作法が「時間を奪う」「不必要な負担」と感じられるケースが増えている。
- 特にお酌・一気飲み・事実上の強制参加は、ハラスメントの観点からも見直しが進んでいる。
データで見る「飲みニケーション離れ」と価値観の変化
ここ数年の調査をまとめると、「飲みニケーション不要派の増加」と「世代を問わず慎重になっている」傾向が見えてきます。
| 調査・データ | 結果の概要 | 読み取れる傾向 |
|---|---|---|
| 社会人831人対象の調査(2024年) | 「飲みニケーションは不要」と答えた人が約6割。「お金がかかる」「気を遣う」「仕事の延長」といった理由が上位に。 | コスト・時間・ストレスの面から、飲み会を控えたい人が多数派になりつつある。 |
| 企業の忘年会・新年会実施率(2024年調査) | 実施企業は約6割で、コロナ前(2019年)より20ポイント近く減少。 | コロナ後も「元通り」には戻らず、必要な場面だけに絞る企業が増えている。 |
| 年代別の意識調査(2024〜2025年) | 飲み会に「参加したい」20代は約7割だが、40代・50代では5〜4割台に低下。中高年ほど飲み会に慎重という結果も。 | 「若者が飲み会嫌い」とは限らず、中高年側も健康・アルハラリスク・節約志向から距離を置き始めている。 |
| コラム・インタビュー記事 | 上座・下座にこだわらない若手、割り勘・キャッシュレス精算が当たり前になった職場など、「ゆるいマナー」が日常化。 | 「礼儀=型を守る」から「相手の時間・気持ちを尊重する」方向へ価値観がアップデートされている。 |
要点
- 飲みニケーション不要派は6割前後で、もはや「少数派」ではない。
- 若者だけでなく、中高年も健康・費用・ハラスメントリスクを理由に飲み会を控える傾向がある。
- マナーの焦点は「形式」ではなく「相手の負担を増やさない・選択肢を尊重する」ことに移りつつある。
今どきの飲み会マナー3原則|「礼儀2.0」の考え方
昔ながらのマナーをそのまま押し付けるのではなく、今の価値観に合う「礼儀2.0」として考え直すと、次の3原則に整理できます。
1. 参加はあくまで「任意」
- 会社の飲み会は出欠の自由が前提。参加しない人を評価に影響させない。
- 誘う側は「来られたら来てね」「無理しないで」と、断りやすい一言を添える。
2. 飲む・飲まないの選択を尊重する
- アルコールが苦手な人には、最初からノンアルコールの選択肢を用意する。
- お酌や一気飲みを強要しない。「自分のペースでどうぞ」を合言葉にする。
3. 時間とお金を透明にする
- 事前に「何時〜何時まで」「予算はいくらくらい」を共有する。
- 支払いはキャッシュレスやアプリ割り勘などでスムーズにし、「先輩が多めに払う」ことを前提にしない。
要点
- 「来るのが当然」「飲むのが当たり前」という前提を捨て、選択の自由を尊重するのが今どきのマナー。
- 形式的な作法よりも、「相手の時間・お金・健康を大事にする」姿勢が礼儀とされるようになっている。
- 世代間ギャップを埋めるには、お互いの価値観を前提に「どこまでやるか」を会話で決めていくことが重要。
世代が違っても気持ちよく飲み会に参加するためのコツ
最後に、上の世代・下の世代どちらの立場でも使える、具体的なコミュニケーションのコツをまとめます。
上の立場の人向け
- 誘うときは「断っても全然OK」と明言する。
- お酌や席順を細かく求めず、「好きなところに座って」「自分のペースで飲んで」と伝える。
- 説教や武勇伝よりも、若手の話を聞く姿勢を意識する。
若手・部下の立場向け
- 参加する場合は、開始・終了時の挨拶と、お礼メッセージだけは丁寧にしておく。
- 飲めない場合は早めに「お酒弱いので、ソフトドリンクで参加します」と伝えておく。
- どうしても参加したくないときは、「家庭の事情」「体質」「別の予定」など無理のない理由で丁寧に断る。
