田子ノ浦部屋の不祥事と処分内容まとめ|泥酔問題の経緯と現在まで
基準日:2025-12-08 時点。本記事は、過去に報道された田子ノ浦部屋・田子ノ浦親方に関する不祥事と処分内容を、公開情報に基づいて整理したものです。真相については日本相撲協会や各メディアが公表した範囲に限られており、特定の個人・団体を誹謗中傷する意図はありません。
田子ノ浦部屋と田子ノ浦親方の基本情報
田子ノ浦部屋(たごのうらべや)は、日本相撲協会に所属する相撲部屋の一つで、東京都江戸川区に所在しています。師匠は元前頭・隆の鶴(年寄・田子ノ浦)で、かつて大関を務めた高安などが所属してきたことで知られています。
要点
- 田子ノ浦部屋は、元隆の鶴・田子ノ浦親方が師匠を務める相撲部屋。
- 看板力士として、元大関・高安が所属している(時期により番付は変動)。
- 本記事の内容は、報道や公式発表を時系列で整理した「概要」であり、裁判所の判決や協会の正式決定を超える判断は行わない。
2020年「泥酔写真」問題の発覚までの経緯
2020年夏、場所前の時期に飲食店で休む田子ノ浦親方の写真がSNS上で拡散され、「泥酔していたのではないか」として批判が集まりました。写真を投稿した同席者は「芋ロックを一気に50杯飲んだ」などと書き込みましたが、後の調査では水割り約10杯程度だったと報じられています。
当時は新型コロナウイルス対策として、協会が力士や親方に不要不急の外出自粛を求めていた時期であり、師匠である親方の行動が「協会方針に反した」として問題視されました。
要点
- 問題の発端は、場所前に飲食店でくつろぐ田子ノ浦親方の写真がSNS上で拡散したこと。
- 「酒を50杯飲んだ」との文言は誇張とされ、実際は水割り約10杯程度だったと報じられている。
- 不祥事として大きく扱われた背景には、コロナ禍での外出自粛要請があった。
日本相撲協会による調査と処分内容
日本相撲協会は、コンプライアンス委員会での調査を経て、2020年8月の理事会において田子ノ浦親方を「けん責処分」とすることを決定しました。けん責は協会における懲戒の中で最も軽い処分にあたります。
協会側は、外出が場所前の時期であったことや、不要不急の外出自粛要請に反していた点を重く見つつも、店内がほぼ貸し切りで感染対策も一定程度取られていたこと、泥酔状態で長時間眠り込んでいた事実までは認められないことなどを考慮したと説明しています。
| 日時 | 出来事 | 主な内容 | 協会側の判断 |
|---|---|---|---|
| 2020-07-17 頃 | 外出・飲食 | 後援者の飲食店で会食。写真は同席者がSNSに投稿。 | 不要不急の外出自粛要請に反した行動と認定。 |
| 2020-08-06 | 理事会決定 | 日本相撲協会理事会が、田子ノ浦親方に「けん責」を通知。 | 最も軽い懲戒だが、再発防止を強く求める姿勢を示したと説明。 |
| 2020-08 以降 | メディア・解説 | 処分の重さの是非や、協会の危機管理体制について様々な論評が行われる。 | 処分が「軽い」「妥当」など評価は分かれたが、公式処分はけん責にとどまった。 |
要点
- 協会は問題行動を認定しつつも、状況を踏まえ最も軽い「けん責処分」にとどめた。
- 感染対策や飲酒量など、報道と実際の状況とのギャップも議論の対象となった。
- 処分の重さに対する評価は、メディアやファンの間で分かれている。
鳴戸部屋時代の暴力訴訟と田子ノ浦部屋との関係
田子ノ浦部屋の前身にあたる鳴戸部屋では、かつて「かわいがり(暴力)」を巡る訴訟が提起されていました。この訴訟は、部屋名が田子ノ浦部屋へ改称された後も継続し、2014年に千葉地裁松戸支部が原告の請求を棄却しています。
この件は、相撲界全体で暴力問題に厳しく向き合うきっかけの一つとなり、日本相撲協会は研修やガイドライン整備などを通じて「暴力根絶」を掲げるようになりました。ただし、個々の事案の詳細や認定内容については、裁判記録や当事者の主張に基づくものであり、メディア報道のみで断定的に評価することは避ける必要があります。
要点
- 前身の鳴戸部屋時代に暴力行為を巡る訴訟があり、改称後も裁判が続いた。
- 裁判所は最終的に原告の請求を棄却し、法的な判断を示している。
- このような事案を背景に、角界全体で暴力問題の再発防止策が強化されてきた。
不祥事を受けた角界全体の再発防止策の流れ
田子ノ浦部屋に限らず、これまで相撲界では暴力や不適切行為を巡る不祥事が繰り返し報じられてきました。そのたびに日本相撲協会は、研修会の実施やガイドラインの明確化などの対応を打ち出してきましたが、「付け焼き刃ではないか」といった批判もあります。
要点
- 不祥事のたびに、協会はコンプライアンス研修や規則の見直しを進めてきた。
- 一方で、現場レベルでの意識改革や指導体制の改善は継続的な課題とされている。
- 個別案件の評価は分かれており、ファンとしては複数の情報源を確認する姿勢が重要。
ファンとして情報と向き合うときのポイント
不祥事のニュースはセンセーショナルに取り上げられがちですが、実際の処分内容や経緯を理解するには、公式発表や複数のメディアを読み比べることが大切です。また、部屋や力士への応援と、不適切行為への批判を切り分けて考える姿勢も求められます。
要点
- 公式発表と複数メディアを照らし合わせ、煽り的な情報だけで判断しない。
- 処分が出ている以上は、その内容を踏まえた上で冷静に評価する。
- 今後の再発防止や若い力士の育成を見守る視点を持つことで、より建設的な応援につながる。
