ノーベル平和賞2025の候補者・予想一覧と受賞結果のまとめ
基準日:2025-12-10。2025年のノーベル平和賞は、ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏が受賞しました。授与理由は「ベネズエラの民主的権利のために闘い、独裁から民主主義への平和的移行を目指す活動」に対する評価です。
一方で、受賞前には338名(個人・団体)の候補がノミネートされ、各国議員や研究機関、人権団体などが「自分たちの推薦」を公表したことで、多くの「有力候補」「予想リスト」が話題になりました。
本記事では、2025年の受賞結果とともに、報道や研究機関のリストに登場した主な「候補・有力視された個人・団体」をテーマ別に整理します。
2025年ノーベル平和賞の受賞者と選考のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞者 | マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado) |
| 国籍 | ベネズエラ |
| 発表日 | 2025-10-10(ノルウェー・オスロで発表) |
| 授賞理由 | 「ベネズエラ国民の民主的権利のために献身的に活動し、独裁から民主主義への公正で平和的な移行を目指す闘い」に対して。 |
| 授賞式 | 2025-12-10 オスロ市庁舎(受賞者本人は安全上の理由から不参加の見通し) |
マチャド氏は長年ベネズエラ政権に批判的な立場を取り続け、選挙プロセスの透明性や人権侵害への対抗を訴えてきた人物であり、その活動はラテンアメリカにおける市民的勇気の象徴として評価されました。
公表情報と「候補者リスト」の前提
- ノーベル平和賞の公式な候補者リストは50年間非公開であり、2025年の正式リストも公表されていません。
- 本記事で紹介する「候補」「有力視」といった名前は、各国議員・研究機関などが自ら公表したノミネートや、平和研究機関PRIOなどによる「受賞予想リスト」に基づくものです。
- したがって、「ここに挙げる=公式候補」という意味ではなく、「2025年に名前が挙がった人物・団体の一部を整理したもの」と理解してください。
2025年に名前が挙がった主な候補・有力視リスト
代表的な報道・資料に基づき、2025年に名前が挙がった個人・団体をテーマ別にまとめます(順不同)。
| テーマ・地域 | 個人・団体名(英語表記) | 概要・ノミネート趣旨 |
|---|---|---|
| 民主主義と人権(南米) | María Corina Machado(ベネズエラ) | 権威主義体制に対抗し、民主化と公正な選挙を求める活動。最終的に2025年の受賞者に。 |
| 国家レベルの平和外交 | Republic of South Africa など | 軍縮や国際平和会議への貢献など、アルフレッド・ノーベルの遺言が掲げる目標への取り組みを評価した推薦。 |
| 安全保障と同盟 | NATO(北大西洋条約機構) | 冷戦期以降、長期にわたり大国間の直接衝突を回避した役割を評価するノミネートが報じられた。 |
| 市民運動・学生運動 | Serbian student-led anti-corruption protests ほか | 非暴力のデモや汚職追及を通じて、法の支配と説明責任を求める運動として推薦。 |
| 紛争地の女性平和活動 | Women of the Sun / Women Wage Peace など | パレスチナとイスラエルなど、紛争地で女性が主体となって対話と共存を訴える草の根運動。 |
| 人道支援・市民保護 | Emergency Response Rooms(スーダン) | 内戦下での医療・食料支援など、地域コミュニティ主体の緊急支援ネットワークとして注目。 |
| 個人の人権活動家 | Imran Khan / Jimmy Lai / Irwin Cotler ほか | 政治的拘束や脅迫に直面しながら、民主主義・法の支配・人権擁護のために活動している人物として複数の議員・団体がノミネートを公表。 |
| 紛争・占領下の人権擁護 | 各種人権団体・ホストage families forum など | 戦争犯罪の記録、拉致・拘束被害者家族の支援、国際司法の活用を訴える団体が候補に挙げられたと報じられた。 |
| その他の話題枠 | Donald Trump ほか | 一部の政治家や支持者がノミネート書簡を公表し、国際的な議論と賛否を呼んだケース。 |
この章の要点
- 2025年は「民主化」「女性による草の根平和運動」「紛争地の人道支援」といったテーマの候補が目立った。
- ノーベル委員会が最終的に選んだのは、権威主義体制下の民主化運動を象徴するマチャド氏。
- 国家(南アフリカ)、国際機関(NATO)、個人活動家、草の根運動など、多様なアクターが推薦・予想リストに並んだ。
「候補者予想」をどう読むか:3つの注意点
1. 公式候補リストではない
- ノーベル平和賞の候補者名は50年間非公開であり、現在話題になっている「候補」はすべて非公式情報です。
- 「◯◯がノーベル平和賞にノミネートされた」と報じられる場合、多くは推薦者(議員や学者)が自ら公表した書簡に基づきます。
2. ノミネート=受賞の有力候補とは限らない
- 毎年300名以上がノミネートされるため、その中でも実際に本命視されるのはごく一部です。
- メディアや研究機関の「予想リスト」は、平和研究の観点や政治的文脈を踏まえた分析であり、実際の選考結果と必ずしも一致しません。
3. 予想リストから「世界の争点」が見えてくる
- どの地域・課題の名前が多く挙がるかを見ることで、国際社会が注目している紛争・人権問題を読み解くヒントになります。
- 2025年の場合、ベネズエラ情勢、中東・スーダン・バルカン、女性による平和運動、戦争犯罪や難民をめぐる人権団体の活動などが際立ちました。
