「ゾンビたばこ」とは何か｜影響と健康リスクをわかりやすく解説

この記事の基準日は2025-11-27です。近ごろニュースやSNSで話題になっている「ゾンビたばこ」は、電子たばこのリキッドに医療用の鎮静剤「エトミデート」などを混ぜて吸引する危険ドラッグの俗称で、国内でも若年層を中心に健康被害や摘発が相次いでいます。

本記事では、医学・行政機関の公表情報をもとに、ゾンビたばこの正体・身体への影響・具体的な健康リスク・法的な位置づけを整理し、「絶対に手を出してはいけない理由」を解説します。

ゾンビたばことは？名称の由来と実態

ゾンビたばこは正式名称ではなく、エトミデートなどの成分を含んだ危険ドラッグを電子たばこで吸引した際、歩行困難になったり意識がもうろうとしたりして「ゾンビのような状態」になることから付けられた俗称です。

外見は一般的なVAPEや電子たばこ用リキッドとほとんど変わらず、知らないうちに危険ドラッグを試してしまうケースが懸念されています。沖縄や九州地方などでは、密輸された製品の摘発や若者の乱用事例が報じられており、全国的なまん延に警戒が強まっています。

この章の要点

• ゾンビたばこは、危険ドラッグに付けられた俗称で正式な製品名ではない。
• 電子たばこのリキッドと外見が似ており、誤って使用してしまうリスクがある。
• 国内でも若者を中心に乱用や摘発が報じられており、全国的な広がりが懸念されている。

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ゾンビたばこに含まれる成分と身体への影響

ゾンビたばこに使われているとされる「エトミデート」は、本来は海外で全身麻酔や鎮静に用いられる医療用の静脈麻酔薬で、日本では未承認薬です。脳の中枢神経の働きを抑えることで、意識消失や運動機能の低下を起こす性質があります。

危険ドラッグとして吸引された場合、短時間で手足の震え・けいれん・ふらつき・異常行動・意識混濁などが起こり、重症例では呼吸抑制や意識不明、転倒事故などにつながるおそれがあります。日本の自治体の注意喚起でも、「歩行困難になり、交通事故や傷害事件に発展するおそれがある」と警告されています。

この章の要点

• ゾンビたばこに使われるエトミデートは、本来医療用の麻酔薬であり娯楽目的使用は想定されていない。
• 吸引により、けいれんや意識障害など、短時間で重い症状が出る可能性がある。
• 混合成分が不明なため、長期的な健康影響を含めてリスクを正確に見積もることが困難。

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法的な位置づけと刑事・社会的リスク

日本では2025年5月に、エトミデートを含む製品が「指定薬物」に追加され、医療等の用途以外での製造・輸入・販売・所持・使用などが禁止されました。ゾンビたばこに該当する製品の所持や使用も、法律違反となる可能性があります。

違反した場合は、懲役や罰金などの刑事罰を受けるだけでなく、逮捕・報道によって進学や就職、家族関係、社会的信用などにも深刻な影響が出るおそれがあります。「一度だけなら」「友だちに誘われて」といった軽い気持ちが、その後の人生を大きく狂わせる可能性があります。

この章の要点

• エトミデートを含むゾンビたばこは、指定薬物として規制対象になっている。
• 製造・輸入・販売・所持・使用はいずれも法律で禁止されており、刑事罰の対象となる。
• 逮捕や報道による社会的ダメージは、健康被害とは別の大きなリスクとなる。

もし身近な人の薬物乱用が心配な場合は、自分だけで抱え込まず、公的な相談窓口や専門機関に相談することが大切です。

ゾンビたばこに近づかないためのセルフチェックと対策

ゾンビたばこに巻き込まれないためには、「知らないリキッドやカートリッジを絶対に使わない」「違法な成分を含むと知りながら譲り受けない・勧めない」「SNSで話題の『ヤバい』商品に興味本位で手を出さない」といった自衛が重要です。

すでに使用してしまった、あるいはやめられないと感じる場合には、早めに医療機関や依存症専門外来、自治体の相談窓口に連絡し、専門家のサポートを受けることが推奨されます。

この章の要点

• 「よく分からないリキッド」は、それだけで危険ドラッグの可能性があると疑うべき。
• 誘われてもはっきり断る勇気と、「ダメなものはダメ」と伝える姿勢が大切。
• 不安や依存を感じたら、一人で抱え込まず専門窓口に相談することが重要。