アルビレックス新潟2025 補強選手と新戦術分析【J2降格後の再出発プラン】
基準日:2025-12-06。アルビレックス新潟は2025年シーズンをJ1・20位で終え、2026シーズンはJ2で戦うことが決まりました。この記事では、2025年シーズン中および2025-26オフの移籍・補強情報を整理しつつ、「来季どんなサッカーを目指すべきか」という戦術面の方向性をデータから読み解きます。
2025シーズンの補強・放出まとめ
まずは2025年シーズン中と、2025-26オフに発表されている主な加入・放出を一覧に整理します。
| 区分 | 日付 | ポジション | 選手名 | 前所属/備考 |
|---|---|---|---|---|
| 加入(シーズン中) | 2025-07-28 | FW | マテウス・モラエス | マリンガFC(ブラジル)から新加入 |
| 加入(シーズン中) | 2025-07-25 | FW | ブーダ | ハンマルビーIFから新加入 |
| 加入(シーズン中) | 2025-07-21 | MF | 小原 基樹 | サンフレッチェ広島から期限付き移籍 |
| 加入(シーズン中) | 2025-07-16 | MF | 白井 永地 | 柏レイソルから完全移籍 |
| 加入(シーズン中) | 2025-07-15 | MF | 島村 拓弥 | 柏レイソルから期限付き移籍 |
| 加入(シーズン中) | 2025-07-15 | DF | 舩木 翔 | セレッソ大阪から新加入 |
| 加入(シーズン中) | 2025-07-13 | MF | 植村 洋斗 | ジュビロ磐田から期限付き移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-08-20 | FW | 矢村 健 | 藤枝MYFCへ完全移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-08-07 | MF | 落合 陸 | 大分トリニータへ期限付き移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-07-17 | MF | 秋山 裕紀 | SVダルムシュタット98へ期限付き移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-07-09 | FW | 太田 修介 | 湘南ベルマーレへ完全移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-07-08 | MF | 宮本 英治 | ファジアーノ岡山へ完全移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-07-05 | DF | 稲村 隼翔 | セルティックFCへ完全移籍 |
| 放出(シーズン中) | 2025-06-08 | FW | 小見 洋太 | 柏レイソルへ完全移籍 |
| 加入(オフ) | 2025-12-04 | DF | 松岡 敏也 | 興國高校から2026シーズン新加入内定・U-18/U-20日本代表SB |
| 放出(オフ) | 2025-11-29 | DF | 岡本 將成 | 契約満了(移籍先未定) |
| 放出(オフ) | 2025-11-28 | MF | 高木 善朗 | 契約満了(移籍先未定) |
| 放出(オフ) | 2025-11-20 | DF | 千葉 和彦 | 契約満了(移籍先未定) |
| 放出(オフ) | 2025-11-18 | DF | 堀米 悠斗 | 契約満了(移籍先未定) |
特にオフの動きとしては、長年クラブを支えてきた堀米悠斗、高木善朗、千葉和彦、岡本將成といった主力・ベテランの契約満了が大きなニュースになりました。一方で、興國高校からU-18日本代表SBの松岡敏也を獲得し、世代交代と再構築への第一歩を踏み出しています。
この章の要点
- 2025年夏は前線と中盤に複数の新戦力を補強しつつ、攻撃陣・守備陣の主力が海外や他クラブへ移籍した。
- オフには長年チームを支えたベテラン4選手が契約満了となり、大きな世代交代が進行中。
- U代表歴を持つ右SB松岡敏也の加入内定は、来季以降のチームづくりの象徴的な一手と言える。
チームスタイルと2025シーズンの課題
フットボールラボのチームスタイル指標やシーズンサマリーを見ると、新潟は2025シーズンもボールを大事にする志向を持ちながら、「自陣ポゼッション」「ラインブレイクラン」などの指標が特徴として挙げられています。一方で、被攻撃回数・被シュート数・被チャンス構築率の高さが課題として表れており、「ボールは持てるが、自陣でのビルドアップが奪われたときのリスク管理」が不安定だったシーズンと要約できます。
2025年の戦いぶり・データ上の特徴
- 攻撃ではショートパスをつなぎながらライン間を突くスタイルを継続。
- 守備では前線からのプレスよりも、ミドルゾーンで構える時間が長くなる試合も多かった。
- 勝点面では接戦を落とす試合が多く、引き分け・僅差負けの積み重ねが最終的な20位につながった。
この章の要点
- ボールを持つ志向は維持されているが、自陣でのリスク管理と守備バランスが大きな課題。
- データ上も被シュート・被チャンス構築率が高く、「守備の脆さ」が順位に直結した。
- 「ポゼッションか、よりダイレクトなスタイルか」を含め、チームコンセプトの再整理が必要なタイミングに来ている。
新加入・若手を軸にした「新戦術」の方向性
2026シーズンはJ2での戦いとなるため、「昇格を狙える現実的な戦い方」と「クラブらしさ」の両立が求められます。ここでは確定情報と、2025-12-06時点で見える範囲の傾向から、考えられる戦術的方向性を整理します(監督人事など未確定要素は今後のリリースに依存します)。
① サイドバック起点のビルドアップ+プレス耐性強化
松岡敏也は「スピードと判断力、ビルドアップ力に優れ、積極的に攻撃へ関われるサイドバック」と紹介されており、右SBからの前進が新潟の新しい武器になることが期待されています。自陣でボールを動かす際、センターバックとボランチだけでなく、サイドバックもビルドアップの一角として使いながら、相手の1stラインを外していく形が増える可能性が高いでしょう。
② 前線の外国籍FWを活かしたダイレクト攻撃
マテウス・モラエスやブーダといった外国籍FWは、縦への推進力やフィジカルを備えたタイプとして期待されています。J2ではピッチコンディションや相手の守備ブロックの関係で、「細かくつなぎ続ける」だけでは難しい試合も多いため、彼らをターゲットにしたロングボールやカウンターを織り交ぜ、「ポゼッションとダイレクト」のハイブリッド型にシフトする選択肢も有効です。
③ 守備ブロックの整理と「自陣ポゼッションの整理」
自陣でボールを握る時間が長いほど、ミスからのショートカウンターを受けるリスクも高まります。新潟の場合、「どこまで自陣でリスクを取るのか」「どの位置からシンプルに前へ蹴るのか」というルールの明文化が、戦術面での大きなポイントになりそうです。ラインブレイクランや自陣ポゼッションの指標を活かしつつ、相手にとって危険なエリアでのプレー時間を増やせるかがカギになります。
この章の要点
- 右SB松岡敏也の特性を活かした「サイドバック起点のビルドアップ」が重要テーマになりうる。
- 前線の外国籍FWをターゲットにしたダイレクト攻撃を織り交ぜれば、J2仕様の現実的な戦い方になる。
- 自陣ポゼッションと守備ブロックの線引きを明確にし、「つなぐ」と「蹴る」の判断基準をチーム全体で共有する必要がある。
J2で昇格を狙うためのポイントチェックリスト
最後に、2026シーズンへ向けた「チェックすべきポイント」を簡単なチェックリスト形式でまとめます。
| カテゴリー | 確認ポイント | メモ |
|---|---|---|
| 戦術 | ボール保持とダイレクト攻撃のバランスは明確か | 相手やスコアに応じて使い分けるルール作りが重要 |
| 守備 | 被シュート・被チャンス構築率の改善傾向はあるか | プレシーズンのデータや練習試合から確認したいポイント |
| 補強 | CB・ボランチ・CFに「軸」となる選手がそろっているか | ベテラン放出後の軸づくりが昇格争いの前提条件 |
| 若手育成 | 松岡敏也ら若手がどの程度出場時間を得られるか | 昇格と育成を両立できるローテーション構築が理想 |
| メンタル | J2降格からの立て直しとして、チーム全体の方向性共有ができているか | フロント・監督・選手でビジョンを共有することが重要 |
この章の要点
- 昇格を狙うには「戦術・守備・補強・育成・メンタル」の5要素を総合的に整える必要がある。
- 特にセンターラインの再構築と守備指標の改善は、J2で上位に食い込むための最低条件。
- データと現場の感覚を擦り合わせながら、中長期ビジョンを持ったチームづくりが求められる。
