卓球混合団体W杯2025 日本代表の逆転劇・逆転負けを徹底解説
卓球混合団体W杯2025(中国・成都)は、2025-11-30〜2025-12-07の日程で開催され、日本代表は第2シードとして出場しています。この記事では、2025-12-06時点で判明している日本戦の中から「逆転劇」と呼べる展開、そしてフランス戦の劇的な逆転負けまでを整理して解説します。
日本代表の成績とドラマが生まれた試合一覧
混合団体W杯は「先にゲーム数8を取ったチームの勝ち」という特殊なフォーマットで、1試合の中で何度も流れが入れ替わるのが特徴です。
| ステージ | 対戦相手 | スコア | 試合の性質 |
|---|---|---|---|
| ステージ1 | オーストラリア | 8–1 | 日本が序盤から圧倒したワンサイドゲーム |
| ステージ1 | インド | 8–4 | 日本が「大苦戦の末に突き放した」と報じられる逆転気味の展開 |
| ステージ1 | クロアチア | 8–?(詳細スコアは速報ベース) | クロアチアの連勝を止める内容重視の勝利 |
| ステージ2 | 香港(中国) | 8–2 | 危なげなく主導権を握り続けた試合 |
| ステージ2 | ドイツ | 8–3 | 欧州強豪に対し中盤でギアを上げて突き放した試合 |
| ステージ2 | スウェーデン | 8–0 | 全ゲームを落とさない完勝 |
| ステージ2 | 韓国 | 8–2 | スコア以上にラリーの質が高かったハイレベルマッチ |
| ステージ2 | フランス | 7–8 | 1–5リードから逆転を許した大会屈指の“逆転劇” |
- フォーマットの特性上、途中経過よりも「8ゲーム先取」の流れが重要
- インド戦では日本が「ヒヤリとする展開から勝ち切る逆転劇」を演じたと報じられている
- フランス戦では逆に“日本が逆転される側”となり、大きな教訓を残した
ステージ1・インド戦8–4:日本がしのぎ切った“逆転劇”
ステージ1グループ2でのインド戦は、今大会の日本代表にとって最初の「修羅場」となりました。国際卓球連盟のデイ2リポートでは、「日本はインドの猛追を受けながらも8–4で“mighty scare(大きな冷や汗)”を乗り切った」と表現されています。
試合の流れとスコアの推移(報道ベース)
詳細なゲーム配分は公式の速報ページ以外では細かく公開されていませんが、複数メディアの記述から次のような流れが読み取れます。
- 序盤は日本がリードを広げるものの、シングルスでインドが粘り強くポイントを重ね4–4付近まで接近
- 女子シングルスでは、インドのマニカ・バトラが伊藤美誠から金星を挙げたことが大きな話題に
- 中盤以降のダブルスで日本が立て直し、最終的に8–4で突き放して勝利
インド戦逆転劇のターニングポイント
- 精神面:エース格が黒星を喫したあとでも、チーム全体で崩れずにゲームを取り返した点
- ダブルスの強さ:ダブルスで確実にゲームを積み上げられたことが「8」に到達する決め手になった
- ベンチワーク:流れが悪い場面でもタイムアウトや声掛けでリズムを整えたと見られる点
ステージ2・フランス戦7–8:1–5リードからの逆転負けをどう見るか
もっとも劇的だったのは、ステージ2最終盤のフランス戦です。欧州卓球連合(ETTU)のレポートによると、日本は序盤で1–5とリードしながらも、最終的に8–7で逆転負けを喫しました。
フランス戦の詳細な展開(ETTUレポート要約)
- 第1試合:混合ダブルスで伊藤美誠/篠塚大登(報道ベースでは篠塚・篠原など表記揺れあり)がストレート勝ちし、日本が先制
- 第2試合:女子シングルスで大藤沙月がプリティカ・パバデを競り勝ち、日本がリードを広げる
- その後:フランスのフェリックス・ルブランが男子シングルスで張本智和にストレート勝ちし流れを引き寄せ、兄アレクシとの男子ダブルスでも勝利してスコアは一気にフランス優勢へ
- 日本は女子ダブルスで踏みとどまり7–7の最終ゲームまでもつれ込むが、最後はユアン・ジャナン/パバデ組が押し切り、フランスが8–7で大逆転
この逆転負けから見える課題
- エース対決の落とし方:張本智和がフェリックス・ルブランにストレートで敗れたことで、一気に流れを失った
- 男子ダブルスの想定外:ルブラン兄弟の爆発力を抑えきれず、ゲームカウントでも連続失点を許した
- リード時のゲームマネジメント:1–5からの「畳みかけ」ができず、相手の反撃を受け止め切れなかった
その他の試合に見られた“ミニ逆転劇”
大きなスコア上の逆転劇以外にも、ラリーの質やゲーム単位では何度も流れの変化がありました。
ドイツ戦8–3:中盤から一気に主導権を握った試合
ドイツ戦では、男子シングルスでダン・キューが好調だったものの、トータルでは日本が8–3で勝利し、「鋭く規律だったチームパフォーマンス」と評価されています。
スウェーデン戦8–0:完勝の裏にあった“流れの読み”
スウェーデン戦はスコアだけ見ればワンサイドですが、ITTF公式やSNS動画では、混合ダブルスやシングルスでの激しいラリーが多数紹介されており、中盤でのゲームの取り方に逆転要素が含まれていたことがうかがえます。
- ドイツ戦では「強豪に対して中盤で一気に流れをつかんだ」点が評価ポイント
- スウェーデン戦の8–0は、スコア以上に要所でのゲームマネジメントが光った結果
- こうした“ミニ逆転”の積み重ねが、日本の総合力の高さを裏付けている
逆転劇から見える日本代表の強み・弱み
- 強み1:インド戦のように、流れが悪くてもチーム全体で立て直して勝ち切る粘り強さ
- 強み2:ダブルスの層の厚さが、終盤の逆転・突き放しの原動力になっていること
- 弱み:フランス戦のように、1–5と大きくリードしながらも逆転負けを許すゲームマネジメントの甘さ
今後のノックアウトステージ(準決勝以降)は、1本の逆転劇がそのままメダルの色を左右する可能性があります。日本代表がインド戦の「しぶとさ」を再現しつつ、フランス戦の教訓をどう生かすかが最大のポイントと言えるでしょう。
