ヤオコー決算2025のポイントと業績予想・株価見通し【ブルーゾーンHD】
基準日:2025-12-10。ヤオコーを中核に持つブルーゾーンホールディングスは、2025年3月期(2024年4月~2025年3月)の決算で増収増益を達成し、今期も堅調なスタートを切っています。本記事では、2025年3月期決算の数字整理/2026年3月期の業績予想/株価の見通しとリスクを投資家向けにわかりやすくまとめます。
2025年3月期決算の概要:増収増益で好調維持
ブルーゾーンHD(旧ヤオコー単体ベースを含むグループ)は、スーパーマーケット事業を中心に国内出店と既存店の売上伸長が続き、2025年3月期も二桁増収・増益となりました。
| 指標 | 2025年3月期実績 | 前年同期比 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,364億円 | +18.9% | 新規出店と既存店の堅調な客数増により大幅増収。 |
| 営業利益 | 334億2,000万円 | +13.9% | 物流合理化・人件費効率化を進めつつ、価格訴求と品質の両立で利益も2桁増。 |
| 経常利益 | 325億8,300万円 | +12.8% | 金融収支も安定し、本業の利益成長がそのまま経常利益に反映。 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 201億7,600万円 | +10.6% | 特別損益の影響は限定的で、純利益も2桁増益を確保。 |
決算から見えるヤオコーの現状
- 食品スーパー中心ながら既存店売上高+5%前後と、人口減少環境下でも堅調な成長を維持。
- 値上げ局面でも「価格以上の価値」を訴求する商品開発・惣菜強化により客数を維持している点が強み。
- グループ再編によりスケールメリットを活かした物流・仕入れ効率化が進んでおり、利益率も大きく崩れていません。
2026年3月期の業績予想:投資・人件費増で営業利益はやや減益予想
ブルーゾーンHDは、2026年3月期についても増収基調を見込む一方で、人件費・設備投資の増加を織り込み、営業利益は前期比やや減少の314億円と会社計画を据え置いています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 会社予想 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,364億円 | 増収見込み(具体額は未確定) | 既存店成長と新規出店で2ケタ近い増収を継続するシナリオ。 |
| 営業利益 | 334億2,000万円 | 314億円 | 人件費・物流コスト増と新店立ち上げ負担を織り込み、やや保守的な減益予想。 |
| 配当 | 増配実績あり | 「安定配当+成長に応じた増配」を掲げる | 還元方針は維持される見通しで、「増配基調継続」の期待が市場で意識されています。 |
業績予想を読むうえでの注意点
- 会社予想は原材料・人件費・電力コストなどの上昇リスクを考慮した保守的な前提で組まれていると推測されます。
- 既存店の売上トレンドや新店の立ち上がりが想定以上であれば、上振れ余地も考えられますが、競合との価格競争が激化すれば逆に下振れもあり得ます。
ヤオコー株(8279)の株価動向と今後の見通し
ヤオコー(現ブルーゾーンHD)の株価は、2025年3月期の好決算発表後に一時上昇したものの、その後は日本株全体の調整や利益確定売りもあり、決算前の水準近辺でのもみ合いが続いています。
株価を動かす主な材料
| 材料 | 株価への方向感 | ポイント |
|---|---|---|
| 既存店売上・客数のトレンド | 好調なら上方向 | 既存店が継続的に+数%成長しているかが、評価の大きな軸。 |
| 人件費・物流費などコスト動向 | コスト高なら下押し要因 | 最低賃金引き上げ・電力料金の動向次第で、利益率が圧迫されるリスクがあります。 |
| 出店・M&A戦略 | 成長ストーリー次第で評価が分かれる | 収益性の高いエリアへの出店・グループ再編の成果が見えれば、中長期の成長期待は高まりやすいです。 |
| 株主還元(配当・自社株買い) | 還元強化はプラス要因 | 増配方針が明確で、自社株買いが継続されれば「ディフェンシブ高配当株」としての評価も意識されます。 |
投資家がチェックしたいポイント
- 四半期ごとの既存店売上・営業利益の推移(特に客数と客単価の内訳)。
- 人件費・物流費などのコスト増が、どこまで価格転嫁できているか。
- 中期経営計画で示された数値目標(売上・利益・店舗数)と、実績とのギャップ。
なお、本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではなく、一般的な情報提供を目的としています。実際の投資判断は、ご自身のリスク許容度・運用方針に基づいて行ってください。
